COLUMN コラム
事業ゴミの持ち込みはできる?注意点や委託するメリットを解説
飲食店や工場などの事業活動から生じる事業ゴミは、種類によって処理方法は異なります。なかには事業者自身で持ち込み処理したいと考える方も多いでしょう。
事業ゴミには、事業系一般廃棄物と産業廃棄物の2つの種類があり、市町村によって異なります。どちらとも持ち込んで処理することは可能ですが、正しい分別や専門的な知識のほか、申請書類が必要な場合もあります。
本記事では、事業ゴミの持ち込みの可否や、注意点、業者に委託するメリットなどについて詳しく解説します。
事業ゴミの持ち込みはできる?
事業ゴミは、事業系一般廃棄物と産業廃棄物に分けられます。事業系一般廃棄物も産業廃棄物も事業活動により生じるゴミですが、種類により処理方法が異なります。
事業系一般廃棄物は、一般ゴミと同様の可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミなどです。飲食店であれば紙くずやプラスチック容器、食べ残しや調理くずといった食品廃棄物などが挙げられます。
産業廃棄物は、廃棄物処理法で定められた20種類に該当するものです。飲食店であれば、廃油や厨房排水処理後の汚泥、缶や調理器具といった金属くずなどが挙げられます。
以下では、各事業ゴミの持ち込みの可否について解説します。
事業系一般廃棄物の持ち込み
事業系一般廃棄物は、事業所がある市町村のゴミ処理施設に持ち込み処理してもらいます。方法は、一般廃棄物処理業者に依頼する、行政に依頼する、自己搬入するの3つあります。それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
一般廃棄物処理業者に依頼する
一般産業廃棄物処理業者に依頼すると、業者に収集と運搬を負担してもらえます。業者は専門的な知識と経験があるため、廃棄物を正しく分別し法律に則り処分してもらえます。また、事業者は費用を支払うだけで手間がかかりません。
飲食店では、食品廃棄物の処理が重要な課題のひとつで、適切に処理しないと、害虫の発生や悪臭の原因となり、衛生環境が悪化します。これはお店の評判を大きく損なう要因にもなります。
食品廃棄物の処理は、正しく対応してくれるだけでなく、手間がかからない業者に依頼することがおすすめです。これにより、効率的に衛生環境を保てます。
ただし、一般廃棄物処理業者を選ぶ際には「一般廃棄物収集運搬業許可」を受けている業者を選ぶ必要があります。
行政に依頼する
市町村によっては、所定の手続きを行えば行政に事業系一般廃棄物の収集と運搬を負担してもらえるところがあります。
たとえば、東京都府中市では、ゴミの排出量が1日あたり平均10kg未満かつその他排出基準に該当する場合、申請書に必要事項を記入し市の資源循環推進課に持参すれば、指定ゴミ袋の購入や所定のゴミの出し方で、一般ごみと同じような方法で捨てられます。
行政がゴミの収集や運搬を担っているか、行政への依頼方法は市町村により異なります。行政への依頼を考えている方は、事業所がある市町村のホームページや窓口で確認ください。
自己搬入する
自己搬入は、その名のとおり事業者が自らゴミ処理施設に持ち込む方法です。
市町村によっては持ち込むために予約が必要であったり、受け入れ可能な時間帯や費用が異なったりするため、事前に事業所がある市町村のホームページなどで確認しましょう。
産業廃棄物の持ち込み
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第3条第1項において「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない」と定められているため、事業系一般廃棄物も産業廃棄物も自ら処理する必要があります。
事業系一般廃棄物は、業者や行政への依頼、自己搬入の方法が選択可能です。しかし、廃棄物処理法で定められた20種類に該当する産業廃棄物は、行政への依頼や自己搬入を行っていない市町村もあり、業者への依頼に限られる場合があります。
産業廃棄物の処理を業者に依頼する場合、事業所がある都道府県から「産業廃棄物収集運搬業許可」を受けている業者のみ依頼可能です。ゴミの種類ごとに認可が必要で、、取扱品目は市町村のホームページから確認できます。
事業ゴミの持ち込み時の注意点
前項で解説したように、事業ゴミは十分に注意し正しく処分しなければなりません。とくに産業廃棄物には有害物質が含まれている可能性があり、法律で厳しく規制されています。違反すると罰則の対象となるため、知らなかったでは済まされません。
以下では、事業ゴミのなかでもとくに処理方法が厳しい産業廃棄物の持ち込みに関する注意点について解説します。
マニフェストを携帯する
産業廃棄物の収集や運搬する業者は都道府県から「産業廃棄物収集運搬業許可」を受けている必要があります。また、依頼した産業廃棄物が契約どおりに正しく処理されたかどうかを確認するためのマニフェスト(管理伝票)を、ゴミの引き渡しと同時に交付してもらう必要があります。
しかし、自己搬入の場合は「産業廃棄物収集運搬業許可」は不要です。そのかわり処理する産業廃棄物に関する情報を記載したマニフェストを自身で作成し、産業廃棄物とともに携帯する必要があります。
マニフェストに記載すべき項目は、排出事業者の氏名または名称・住所・電話番号、排出場の名称・所在地・電話番号、産業廃棄物の種類・重量・体積、荷姿、産業廃棄物の名称、含まれる有害物質、処分方法などです。
マニフェストは紙と電子の2種類あり、保管期限などのルールも定められています。マニフェストの作成・携帯だけでなく、保管期限などのルールも事前に調べておきましょう。
収集・運搬基準を確認する
産業廃棄物の収集や運搬を行う際には、近隣の迷惑にならないようにするだけでなく、環境や安全への配慮も必要です。
産業廃棄物の20種類のなかには、廃油や汚泥のほか、動物の糞尿や死体なども含まれています。たとえば、飲食店でねずみの糞尿や死体が発見された場合は、産業廃棄物として処理をする必要があります。
廃棄物の飛散・流出・悪臭は、お店の評判を下げてしまいます。また、飛散・流出・悪臭はしなくても処理作業の際の騒音なども近隣とのトラブルにつながる恐れがあるため、近隣に配慮しながら作業しましょう。
市町村によっては産業廃棄物も自己搬入できるところがありますが、近隣や環境、安全へ正しく配慮し処理するためには、やはり産業廃棄物収集運搬業許可を受けた業者へ依頼することをおすすめします。
運搬車両に必要事項を表示する
事業者自身が産業廃棄物を処理する場合、運搬車両に産業廃棄物を運搬している旨を表示しなければなりません。
車両表示は「産業廃棄物収集運搬者 〇〇株式会社(事業者名)」と表記する必要があります。産業廃棄物収集運搬者の文字は5cm角以上、〇〇株式会社(事業者名)の文字は3cm角以上で、鮮明で見やすいフォント、識別しやすい色で表記します。
表示する文字は原則印刷された文字の必要があり、車両に直接書き込んだ場合には認められない場合もあります。また、産業廃棄物収集運搬者と〇〇株式会社(事業者名)の表記は略称や屋号を使用してはならず、正式に表記しましょう。
荷台シートなどで表記の一部が隠れてしまっている場合も違反となるため、注意が必要です。市町村によって独自のルールが設けられている場合もあるため、事業所がある市町村のホームページや窓口で確認してから作成することをおすすめします。
イーブライトに所属するゴミ回収ガールが、インスタグラムでゴミに関する情報を配信中!フォローやDMもお待ちしております!
産業廃棄物の処理を委託するメリットは?
市町村によっては産業廃棄物も自己搬入できるところがありますが、産業廃棄物の処理にはさまざまなルールが定められています。手間をかけずに正しく処理するためにも、業者への委託がおすすめです。
産業廃棄物の処理を業者に委託するメリットは「コストの削減」「申請許可や書類負担の軽減」が挙げられます。以下では、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
コストを削減できる
産業廃棄物に限らず、事業系一般廃棄物を含めた事業ゴミを処理するためには、専門的かつ正しい知識を身につけておく必要があります。また、ゴミの分別作業のほか、産業廃棄物の場合にはマニフェストの作成やさまざまな工程があり、どの工程でも人件費がかかります。
なかには、コスト削減のために自己搬入をしているという事業者もいますが、自身で行う場合は人件費などがかかり、かえってコストが上昇してしまうことも少なくありません。コスト削減を目的としているのであれば、業者への依頼をおすすめします。
業者に依頼さえしてしまえば、産業廃棄物や事業系一般廃棄物の事業ゴミを引き渡し、マニフェストを提出するだけで、そのほかの手間はかかりません。専門的な知識がなくても、業者にすべておまかせできます。
ゴミの分別を従業員が行っている場合、従業員の負担も軽減し、本来の業務に集中できるでしょう。
申請許可や書類負担が軽減される
産業廃棄物や事業系一般廃棄物の事業ゴミの処理を業者に依頼すると、申請許可や書類負担が軽減されます。処理方法は市町村によって異なりますが、事業系一般廃棄物であっても自己搬入や行政へ依頼するには予約が必要であったり、自身で分別を行う必要があったりします。
また、産業廃棄物の場合には書類の作成や申請許可を受ける必要もあります。
書類の作成や申請許可は、処理に関して専門的かつ正しい知識が必要なため、担当者は勉強しなければなりません。書類の作成や申請許可に時間がかかるだけでなく、正しく書類を作成し申請できていないと修正が必要になったり、最悪の場合は法令違反となってしまったりすることもあるため、担当者の業務・責任負担は大きいです。
しかし、業者に依頼すれば事業ゴミの処理だけでなく、申請作業や書類作成作業も任せられるため、担当者の業務・責任負担の軽減につながります。
まとめ
事業ゴミには事業系一般廃棄物と産業廃棄物があり、どちらのゴミも家庭ゴミと同じようには捨てられず、法律に則り正しく処分しなければなりません。
また、事業系一般廃棄物と産業廃棄物ともに持ち込み可能ですが、有害物質を含む産業廃棄物に関してはとくに厳しく、専門的な知識や書類作成などが必要です。そのため、事業ゴミは処理業者に依頼することをおすすめします。
イーブライトは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、静岡県を対象とした産業廃棄物処理業者です。各都道府県の「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得しており、安心してご依頼いただけます。
また、横浜市・川崎市では、一般廃棄物の処理サービスも提供しています。さらに、飲食店や工場向けに、グリストラップの清掃や衛生管理、悪臭対策など、幅広いサポートを行っています。事業ゴミの処理にお困りの方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。