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美容室のゴミ回収の料金相場は?排出されるゴミの種類と処理方法

美容室の経営において、日々発生するゴミの処理は避けて通れない重要な課題です。カットした毛髪や使用済みの薬剤容器、パーマ液やカラー剤が残った廃液、さらには雑誌やペットボトルなど一般的な廃棄物まで、適切に処理すべき対象は少なくありません。
美容室から出るゴミは家庭ゴミとは異なる「事業ゴミ」に分類され、適切な処理を怠ると法律違反となり、罰金が科される可能性があります。
本記事では、ゴミの分類方法から料金相場、信頼できる業者の選び方まで、実用的な情報を分かりやすく紹介します。
美容室から出るゴミの分類方法
美容室から排出されるゴミは「産業廃棄物」と「事業系一般廃棄物」の2種類に明確に分けられます。
この分別を間違えると、後々大きなトラブルに発展する可能性があるため、まずは正しい知識を身につけましょう。
産業廃棄物
産業廃棄物とは、事業活動にともない生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法で定められた20種類の廃棄物のことです。美容室から出る主な産業廃棄物には以下があります。
・金属類:アルミホイル、ヘアカラー用のピン、金属製のコーム、缶類
・廃プラスチック類:シャンプーボトル、トリートメントボトル、カラー剤のチューブ、コームやブラシ、ヘアクリップ、ビニール手袋
・その他:椅子・机・ドライヤー・ヘアアイロン・什器類
これらの産業廃棄物は、都道府県から「産業廃棄物収集運搬業許可」を受けた専門業者に委託する必要があります。
事業系一般廃棄物
事業系一般廃棄物とは、事業活動にともなって発生する廃棄物のうち、産業廃棄物以外のものを指します。美容室では以下のようなものが該当します。
・紙くず:レシート、雑誌、段ボール、ペーパータオル、事務書類
・生ゴミ:スタッフの食べ残し、お客様に提供したお菓子の残り
・その他:髪の毛
髪の毛は事業系一般廃棄物として分類され、自治体指定の方法に従って処理できます。
美容室から出るゴミを家庭ゴミとして捨てると「不法投棄」とみなされ、廃棄物の処理及び清掃に関する法律にもとづき、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科されます。
産業廃棄物や事業系一般廃棄物の分別方法は、自治体ごとにルールが異なる場合があるため、分別に迷った場合や不明な点がある場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
出典:環境省「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」|e-GOV法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137)
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美容室のゴミ回収にかかる料金相場
美容室のゴミ回収料金は、さまざまな要因によって大きく変動するため、一概に「この金額」と断言することは困難です。しかし、料金に影響する主要な要因を理解しておくことで、適正価格での契約が可能になります。
【回収頻度】
ゴミの収集を週に何回依頼するかによって料金が変わります。週1回の定期回収よりも毎日回収の方が当然費用は高くなりますが、店舗の規模や保管スペースの制約を考慮して最適な頻度を選択することが重要です。
【ゴミの排出量】
排出されるゴミの量に応じて料金が変動します。美容室は他の業種と比較して排出量が比較的少ないものの、リサイクル可能なゴミを適切に分別することでコスト削減に繋がります。
【エリア(地域)】
回収を依頼する店舗のエリアによっても料金が大きく異なります。特に東京23区などの都市部と地方では、人件費や運搬コストの違いにより料金差が生じます。
自治体の一般廃棄物処理施設に自己搬入する場合
一部の自治体では、事業者自らがゴミを処理施設に持ち込むことが可能です。たとえば、東京23区では15.5円/kgで自己搬入できますが、ほかの多くの自治体では持ち込み不可となっているため、事前に確認が必要です。
また、少量排出の場合は行政回収も可能な地域もありますが、美容室の日常業務を考慮すると現実的ではないケースが多いでしょう。
ゴミ回収業者に依頼する場合
民間のゴミ回収業者に依頼する場合、見積もりを行わないと正確な金額を算出することは困難です。そのため、複数の業者から相見積もりを取ることをおすすめします。
多くの専門業者では、美容室の状況を詳しくヒアリングした上で、最適なプラン提案を行っているため、まずは相談してみることが重要です。
ゴミ回収業者に依頼するメリットとは?
美容室が専門の回収業者にゴミ処理を委託することで得られるメリットは、コスト面だけでなく、経営効率や法的リスク回避の観点からも大きなものがあります。ここでは、ゴミ回収業者に依頼するメリットについて解説します。
トラブルを防止できる
都市部の美容室は住宅マンション内に店舗があることが多く「マンションのゴミ集積所に捨てれば大丈夫」と考えがちです。
しかし、美容室から排出されるゴミは「事業ゴミ」に該当するため、不適切な処理をすると後でトラブルになる可能性があります。
不適切な廃棄は「不法投棄」とみなされ、廃棄物の処理及び清掃に関する法律にもとづき厳しい罰則が科されるだけでなく、近隣住民とのトラブルや企業の信用失墜といったリスクもあります。
専門業者に依頼することで、これらの法的リスクを回避できます。
定期回収が可能
美容室では毎日一定量のゴミが発生するため、定期的な回収が不可欠です。専門業者なら店舗の規模や希望に合わせて、週1回から毎日まで柔軟な回収スケジュールを組むことができます。
これにより、ゴミがサロン内に溜まるのを防ぎ、常に清潔で衛生的な環境を保つことが可能になります。お客様に快適な空間を提供するためにも、定期回収は欠かせないサービスです。
さまざまな廃棄物に対応が可能
自治体では回収が困難な産業廃棄物も、専門業者なら適切に処理してくれます。カラー剤容器、シャンプー・トリートメントボトル、施術用チェア、ドライヤーなどの美容室特有の廃棄物も、法律に則って安全に処分できます。
また、特別管理産業廃棄物についても、協力会社を通じて対応可能な業者もあるため、どのような廃棄物でも一度相談してみることをおすすめします。従業員の負担軽減にも繋がり、本来の美容業務に集中できる環境が整います。
ゴミ回収業者選定時の5つのポイント
信頼できるゴミ回収業者を選ぶことは、美容室の安定した運営と法的リスク回避において極めて重要です。以下の5つのポイントを必ずチェックしましょう。
許可を得ている業者か
まず重要なのは、依頼する業者が適切な許可を取得しているかどうかです。美容室から出るゴミの種類によって、必要な許可が異なります。
【産業廃棄物収集運搬許可】
都道府県知事または政令指定都市の市長による許可が必要です。シャンプーボトルやカラー剤容器などの産業廃棄物を扱う場合は必須となります。
【一般廃棄物収集運搬許可】
市区町村長による許可が必要です。髪の毛や紙くずなどの事業系一般廃棄物を扱う場合に必要となります。
無許可業者への委託は、排出事業者責任により委託者も処罰の対象となるため、必ず許可証の提示を求めましょう。
実績はあるか
美容室やサロンでの回収実績があるかどうかも重要な判断基準です。美容室特有のゴミ(髪の毛、カラー剤容器、カットウィッグなど)の処理経験がある業者なら、適切な分別や処理方法を熟知しており、安心して委託できます。
また、業者によっては排出量が少なすぎる場合は回収を拒否するケースもあるため、小規模サロンでも対応可能かどうか事前に確認しましょう。
見積もりは正確か
信頼できる業者は、料金体系が明確で、詳細な見積もりを提示してくれます。回収頻度、ゴミの種類、料金内訳(運搬費・処分費など)を明記した見積もりを依頼し、不明な点があれば遠慮なく質問しましょう。
極端に安い見積もりを提示する業者は、後から追加料金を請求したり、適切な処理を行わない可能性があるため注意が必要です。
産廃処理委託契約書を発行しているか
産業廃棄物の処理を委託する場合、産廃処理委託契約書の締結は法的義務です。契約書には許可証の写しや処理方法、料金などの必要事項が記載されている必要があります。
また、契約書は5年間の保存が義務付けられているため、適切な管理体制を持つ業者を選びましょう。契約書を交わしていない場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金、またはこれら両方が科される可能性があります。
マニフェストを発行しているか
マニフェストは、産業廃棄物が適切に処理されているかを確認するための重要な書類です。産業廃棄物の処理を委託する際に排出事業者がマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付し、処理の流れを確認します。
マニフェストには、紙マニフェストと電子マニフェストの2種類があります。
紙マニフェスト
従来から使用されている手書き形式のマニフェストです。5年間の保管義務があるため、専用の保管スペースを確保する必要があります。さらに、年1回は自治体への報告提出が求められます。
電子マニフェスト
システム上で管理する電子形式のマニフェストです。以下のような多くのメリットがあります。
・事務作業の労力削減:システムが自動で管理するため、記載ミスが大幅に減少
・法令遵守の徹底:処理状況をリアルタイムで確認可能
・保管不要:システム上で保管されるため、5年間の保管が不要
・報告義務の軽減:自治体への年次報告が不要
・透明性の向上:処理状況を随時確認でき、適正処理の確認が容易
電子マニフェストに対応している業者なら、美容室の管理業務を大幅に軽減できるため、積極的に活用することをおすすめします。
こちらの記事では、マニフェストについて解説しています。不要なケースや必要項目も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
美容室のゴミ処理は、単なるコストではなく、法的リスク回避と事業運営の効率化に直結する重要な要素です。産業廃棄物と事業系一般廃棄物の正しい分別、適切な許可を持つ業者との契約、そして電子マニフェストの活用により、安心で効率的なゴミ処理体制を構築できます。
料金相場は回収頻度や排出量、エリアによって大きく変動するため、複数の業者から見積もりを取り、自店舗に最適なプランを選択することが重要です。信頼できる業者に依頼することで、法的トラブルを防ぎ、従業員の負担軽減と衛生環境の維持を実現できます。
イーブライトでは、一般廃棄物と産業廃棄物の両方を回収いたします。紙マニフェストはもちろん、電子マニフェストにも対応しており、効率的な管理方法で運搬・処理が可能です。
また、計量器付きパッカー車を導入することで排出量管理や処分費用の明確化を実現しています。
毎日のゴミ処理でお困りの方は、ぜひお気軽にイーブライトまでお問い合わせください。