COLUMN コラム
飲食店における臭い問題!クレームを防ぐためにできることとは?
飲食店では、料理の香りが食欲をそそる一方で、強すぎる臭いが原因でクレームにつながることも少なくありません。とくに店舗が住宅地やオフィス街にある場合、近隣住民や通行人からの苦情が増えることもあるでしょう。
臭いの問題を放置すると、店舗の評判や売上に悪影響を及ぼす恐れがあるため、適切な対策が必要です。
本記事では、臭いトラブルを未然に防ぐ具体的な方法や臭いの主な原因について紹介します。対策のポイントを押さえて、顧客満足度や近隣との良好な関係を維持しましょう。
飲食店でよくある臭いのクレームの主な原因
臭いに関するクレームは、飲食店を運営するうえで避けて通れない課題のひとつです。
店舗内外で発生するさまざまな臭いが、顧客や近隣住民の不快感を与えることがあり、場合によっては営業に支障をきたすこともあります。対策を行う前に飲食店でよくある臭いのクレームの主な原因について抑えておきましょう。
油の臭い
揚げ物や炒め物を扱う飲食店では、油の臭いが店内外に広がりやすくなります。とくにファストフード店や中華料理店では、調理過程で大量の油が使用され、加熱されることで強い臭いが発生します。
この油臭は、調理中の換気が不十分だったり、排気設備が老朽化していたりすると、店舗の外にまで漂います。その結果、周辺住民からのクレームにつながることがあるでしょう。
また、揚げ油を繰り返し使用することで、酸化した油がよりいっそう強い臭いを放ち、不快感を増幅させることもあります。
ゴミの臭い
飲食店では、日常的に多量の生ゴミや調理くずが発生します。野菜くずや食べ残しは、時間が経つと腐敗が進み、悪臭の原因となります。
とくに夏場のような高温多湿の環境では、ゴミが腐敗するスピードが速まり、その臭いも一段と強くなるため、周囲に不快感を与えやすいです。ゴミの臭いが店内に漏れ出すと、顧客の気分を損なう恐れもあり、悪い印象を与えます。
また、ゴミ置き場の管理が不十分だと、害虫や害獣の発生を招き、臭い問題がさらに悪化することもあるでしょう。
排気の煙と臭い
飲食店の厨房から出る排気には、調理中に発生する煙や臭いが含まれています。とくに鉄板焼きや焼き肉など、煙が多く出る料理を提供する店舗では、この排気が原因で近隣からのクレームを招くことが多いです。
排気の臭いは油分や調味料が混ざった独特なものであり、長時間にわたり外部に排出されることで、周辺の環境を汚染することになります。
風向きや天候によっては、排気が周辺の住宅やオフィスに入り込み、室内に臭いがこもってしまうこともあり、苦情となるケースが増加するでしょう。
魚・生鮮食品の生臭さ
寿司店や海鮮料理店など、魚を主に扱う店舗では、生鮮食品特有の生臭さが問題になることがあります。
魚を調理する際や保存中に発生する生臭い臭いは、多くの人にとって不快感を与えるものです。この生臭さは、鮮度が低下することでより強くなるため、食材の管理状態が直接影響を与えます。
また、調理後の排水からも独特の生臭さが発生し、排水溝やシンク周りで臭いがこもることも少なくありません。
スパイスや香辛料の臭い
エスニック料理店やインド料理店など、独特なスパイスや香辛料を多用する飲食店では、その香りが強烈に残りやすいです。
これらの香辛料は料理を引き立てる一方で、匂いが強く長時間持続するため、店外に漏れ出すと近隣に不快感を与えることがあります。
カレーや辛味の強い料理は、調理中に強い香りが広がり、好き嫌いが分かれるためクレームの原因になりやすいです。店舗内に滞留することで衣服や髪に香りが移り、顧客が外出先で嫌な思いをすることもあります。
飲食店における臭いに関する法規制
住宅地や商業エリアに店舗を構えている場合、料理の香りが近隣住民や周囲のオフィスへ影響を及ぼすことがあります。臭いの問題はクレームが発生するだけでなく、法的な問題に発展する可能性もあるため、臭いに対する法規制を理解しておくことが重要です。
ここでは、飲食店が遵守すべき代表的な臭いに関する法規制について解説します。
悪臭防止法
日本における臭いに関する代表的な法規制として「悪臭防止法」があります。これは昭和47年に環境省により制定されたもので、事業活動から発生する悪臭が人々の健康や生活環境に悪影響を及ぼさないようにすることを目的としている法律です。
規制の対象は以下のとおりです。
- 特定悪臭物質とは、不快なにおいの原因となり、生活環境を損なうおそれのある物質であって政令で指定するもの
- 臭気指数とは、人間の嗅覚によってにおいの程度を数値化したもの
2024年現在特定悪臭物質は、アンモニアやメチルメルカプタン、硫化水素など、22物質が指定されています。規制基準値は各地方公共団体で異なりますが、規制に違反した場合には罰則もあるため、注意しましょう。
たとえば、近隣住民からの報告や相談を受け、市町村長が必要と判断した場合、その事業所に立ち入り調査を行ったり、報告を求めたりできます。この際、報告をしなかったり虚偽の報告をしたり、調査を拒否した場合は、30万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、規制を超える悪臭物質が排出され、住民の生活に悪影響が出ている場合、飲食店経営者に改善を求める勧告や命令が出されることがあります。命令に従わない場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があるため、注意が必要です。
さらに、悪臭防止法や地方自治体の基準を守っていても、近隣住民から民事責任を追及される可能性があります。実際に裁判になるケースも少なくありません。
地方自治体の独自規制
悪臭防止法とは別に、各地方自治体が独自に定める規制も必ずチェックしましょう。地域によっては、より厳しい基準が設定されていることがあります。
観光地や高級住宅地では、周辺環境を守るために飲食店の臭いに対して厳格な規制が敷かれていることが多いです。こうした規制は、地域住民の生活の質を守るためのものであり、飲食店の排気設備や営業時間に影響を及ぼすことがあります。
自治体独自の規制は地域ごとに異なるため、店舗開業前に地元の条例を十分に調査しておくことが重要です。
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飲食店でのクレームを防ぐために効果的な臭い対策法
飲食店から漏れでる油の臭いやゴミの臭い、生鮮食品の生臭さなどは、店舗内外で問題となるケースが少なくありません。
臭い問題によるクレームを未然に防ぐためには、どのような対策を行ったらよいのでしょうか。ここでは、飲食店でのクレームを防ぐために効果的な臭い対策法について紹介します。
店内に脱臭装置を導入する
飲食店の臭い対策としてまずあげられるのが、店内に脱臭装置を設置することです。脱臭装置とは、悪臭物質を脱臭する装置を指します。しかし、すべての悪臭物質を脱臭できる万能な脱臭装置はありません。
「燃焼式」「洗浄式」「光触媒式」「オゾン酸化式」「吸着式」「イオン酸化式」の6種類の中から、適切な脱臭装置を選ぶ必要があります。臭気の強さや臭気の種類、設置スペース、費用などを総合的に判断して選びましょう。
これらの装置を適切に活用することで、店内の空気を清潔に保ち、クレームを減少させることが期待できるでしょう。
排気口の位置や向きを工夫する
臭い対策として重要なのが、排気口の配置です。飲食店から出る排気が周辺の住宅やビルの吸気口に直接向かうと、近隣からの苦情が増える原因となります。
そのため、排気口の位置や向きを工夫して、排気ガスが周囲に影響を及ぼさないようにすることが重要です。
また、排気の方向を調整することで、臭いが住宅地や商業施設に流れ込むのを防げるでしょう。
あらかじめニオイ対策を考慮した設計を行う
飲食店の設計段階で臭い対策を考慮することも重要です。臭気発生源から住宅地やオフィスビルまでの距離を確認し、店舗の立地条件に応じた対策を講じることが求められます。
また、周囲の建物や既存の排気口の位置も事前に把握し、適切な場所に排気口を設置することが効果的です。
さらに、厨房のレイアウトを工夫することで、臭いの発生源を店内のほかのエリアから隔離し、臭いの拡散を防げるでしょう。
調理や仕込みなど臭いが発生する作業を見直す
臭いの発生源を減らすためには、調理や仕込みの工程を見直すことも効果的です。仕込み作業を営業時間外に行ったり、調理工程の温度を調整したりすることで、臭いの発生を抑えられます。
また、臭いが強い調理工程を別の場所で行うこともひとつの方法です。これにより、臭いが店内外に広がるのを防ぎ、周囲の環境への影響を最小限に抑えられます。
さらに、定期的に調理作業の時間帯を調査し、臭いの発生状況を確認することで、より効果的な対策を講じられます。
定期的な清掃とメンテナンスを行う
飲食店における臭い対策として欠かせないのが、定期的な清掃とメンテナンスです。とくにグリストラップの清掃は、油や食品の臭いを防ぐために重要です。
グリストラップは、油分や食材のカスを分離する設備ですが、これが汚れていると強烈な臭いの原因となります。そのため、専門業者による定期的な清掃を依頼し、清潔な状態を保つように意識しましょう。
また、普段の清掃では手が届かない場所にも臭いの原因が潜んでいることがあるため、プロの技術を活用して徹底的に清掃することが大切です。
飲食店のグリストラップ清掃なら、イーブライトにお任せください。イーブライトは、グリストラップの清掃、衛生管理、悪臭対策までトータルでサポートします。
廃液利用型石けん化衛生工法「グリピカ」を採用しており、溜まった廃油を石けん水に変えて清掃するため、槽内を徹底洗浄し、同時に排水管の詰まりも予防可能です。この石けん水を使用することで、環境にも優しく、臭いの原因を根本から解消します。
まとめ
飲食店では、油や生ゴミ、調理中の排気などから発生する臭いが原因でクレームにつながることが少なくありません。また、法規制に違反した場合には罰則が科されることもあるため、十分に注意が必要です。
また、グリストラップの汚れは悪臭や排水管の詰まりを引き起こし、周囲の環境に悪影響を及ぼします。そのため、定期的なグリストラップ清掃が欠かせません。
イーブライトでは、石けん水を用いた「廃液利用型石けん化衛生工法 グリピカ」という工法を採用しており、グリストラップ内の廃油を徹底洗浄し、悪臭や排水トラブルを根本から改善します。
清潔な店内環境を保つための衛生管理をトータルサポートいたしますので、臭い対策でお悩みの方は、ぜひイーブライトにご相談ください。