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産業廃棄物の単価は1kgあたりいくら?コスト削減のポイント

事業を行うにあたって「産業廃棄物」と呼ばれるゴミが発生します。産業廃棄物は、決められたルールにしたがって、適切に処理しなければなりません。
しかし、事業を始めたばかりの方や、これから始める方のなかには、処理費用がどのくらいかかるのか分からない方も多いでしょう。
本記事では、産業廃棄物の処理費用を1kgあたりの単価で解説します。さらに、コストを抑える方法や、信頼できる処理業者の選び方についても詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
産業廃棄物処理の単価(kg)の相場は?
産業廃棄物とは、事業活動によって発生するゴミのうち、廃棄物処理法で定められた20種類の廃棄物のことを指します。
「事業活動」と聞くと、製造業や建設業を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、それだけではありません。オフィスや商店での商業活動、学校などの公共的な事業も含まれます。
20種類の廃棄物の一覧は、以下のとおりです。
- 燃えがら
- 汚泥
- 廃油
- 廃酸
- 廃アルカリ
- 廃プラスチック類
- ゴムくず
- 金属くず
- ガラス・コンクリート・陶磁器くず
- 鉱さい
- 瓦礫類
- 煤塵
- 紙屑
- 木屑
- 繊維くず
- 動物系固形不要物
- 動植物系残さ
- 動物のふん尿
- 動物の死体
- コンクリート固形化物をはじめ、上記の産業廃棄物を処分するために処理したもののうち、上記の分類に該当しないもの
なお、産業廃棄物には「あらゆる事業活動にともなうもの」と「排出する業種が限定されるもの」という分類があります。この分類によって、業種次第で産業廃棄物ではなく一般廃棄物に分類されるケースもあるため、注意しましょう。
たとえば、建設現場で発生した木くずは産業廃棄物ですが、建設事務所で発生した木くずは一般廃棄物扱いになります。
自治体への持ち込み時における産業廃棄物の単価
産業廃棄物を自治体の処理施設へ直接持ち込む場合、処理費用は自治体ごとに定められています。たとえば、神奈川県の場合、以下の料金が目安です。
燃え殻、汚泥、鉱さい、ばいじん、 燃え殻、汚泥及びばいじんを処分するために処理したもの |
約27円(1kgあたり) |
石綿含有産業廃棄物 | 約32円(1kgあたり) |
廃石膏ボード | 約27円(1kgあたり) |
ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものを除く)、陶磁器くず及びがれき類(石綿含有産業廃棄物又は廃石膏ボードを除く。) | 約20円(1kgあたり) |
ただし、この料金は事業者が産業廃棄物を持ち込み、処理を依頼する場合の費用です。自社で処理施設に持ち込むことは可能ですが、産業廃棄物運搬車の手配や必要書類の準備、ゴミの分別など、さまざまな手間がかかります。また、各工程にも人件費が必要となるため、その点もあわせて考慮しておくとよいでしょう。
また、自治体ごとに処理料金は異なります。持ち込みを検討する際は、事前に各自治体の情報を確認しましょう。
業者依頼時の産業廃棄物の単価
先述のとおり、自社で産業廃棄物の収集や運搬、処理を行うのは現実的に難しいため、ほとんどの事業者は専門の処理業者に依頼します。専門業者に委託することで、事業者は産業廃棄物を引き渡し、マニフェストを提出するだけで済むため、無駄な人件費を削減できます。
また、自社で処理を行う場合、不備があれば修正作業も発生します。しかし、専門業者に委託すれば、これらの手続きをすべて業者が行ってくれるため、事業者は書類作業に煩わされることなく負担を軽減できます。
産業廃棄物の処理費用は、処理業者ごとに価格設定が異なり、廃棄物の種類や処理方法によって1kgあたりの単価が設定されています。見積もりを出さなければ、具体的な金額の算出は難しいため、まずは業者に問い合わせてみることがおすすめです。
産業廃棄物処理の単価を安くする方法
事業に関するゴミの処分コストは、近年増加傾向にあります。その理由として、海外のゴミ輸入規制や国内の処理施設不足、人件費や燃料費の上昇などが挙げられます。とくに、今後人口が減少することを考えると、人件費はさらに上昇する可能性が高いです。
そのため、処分費用をどう下げるかに悩んでいる事業者は少なくありません。ここでは、産業廃棄物処理の単価を安くする具体的な方法について解説します。
産業廃棄物を分別しておく
産業廃棄物の処理コストを下げるためには、分別が効果的です。なかには、複数のゴミを混ざった状態で業者に依頼する事業者もいます。しかし、これでは最も単価が高い種類にもとづいて費用が計算されるため、コストが増えてしまいます。
そのため、あらかじめ産業廃棄物を分別しておけば、各種類に応じた適切な価格で処理が可能です。しかし、産業廃棄物の量が膨大なせいで、分別するのが困難なケースもあるでしょう。その場合は、リサイクルできるものだけでも分別することをおすすめします。
分別しやすいものには、鉄、家電、木屑があります。これらをきちんと分けることで、業者が適切な料金で処理でき、結果としてコストを削減できます。
また、産業廃棄物のなかには、有価物、つまり価値のあるものとして買い取ってもらえるものがある場合もあります。そのため、分別してリサイクル可能なものを取り出しておくことで、結果的に処理コストを削減できるでしょう。
工場の設備を見直す
ち工場の設備の見直しも、コスト削減に効果的な方法です。工場では、生産過程で大量の産業廃棄物が発生しますが、その量は使用している機械の性能や効率によって異なります。
ただし、設備を交換するには初期費用がかかるため、どの程度のコストがかかり、その結果どれだけ節約できるかを十分に調べてから決定しましょう。
また、設備更新は、国や自治体から提供されている補助金や助成金を利用できる場合もあるため、確認しておきましょう。
水に濡らさない
産業廃棄物は、水に濡らさないように注意しましょう。事業活動の過程で発生したゴミは、扱いが雑になりやすいです。
しかし、ゴミのなかには水分を含むと体積が変化するものもあります。多くの産業廃棄物の処理費用はゴミの重さにもとづいて決まるため、水分を含むことで重さが増し、処理コストが高くなる可能性があります。
さらに、廃石膏ボードなど一部のゴミは、水に濡れるとリサイクルができなくなることがあり、余分な処理費用が発生することもあります。保管場所がなく、仕方なくゴミを野ざらしにすることもあるかもしれませんが、できるだけ水分がかからないように管理することが大切です。
「持ち込み処分」を利用する
コスト削減に有効な方法のひとつとして「持ち込み処分」が挙げられます。これは、産業廃棄物を自分で処理施設に持ち込むことです。
処理業者に依頼すると、ゴミの運搬作業員の人件費や車両費が費用に含まれます。しかし、自分でゴミを運搬することで、これらの追加費用を削減できます。
ただし、ゴミの種類や量によっては、法令にもとづいた手続きが必要です。また、ゴミを運ぶために適切な運搬車両を所有していない場合、運搬車両を新たに用意する必要もあります。
相見積もりを取る
処理業者を探している段階の場合は、相見積もりを取りましょう。相見積もりとは、複数の業者に同じ条件で見積もりを依頼し、費用やサービスの内容を比較することです。
相見積もりを取るメリットは、適正価格が把握できるため悪徳業者を避けられることや、最適なサービスを選べることが挙げられます。相見積もりを依頼する際には、事前に業者に「複数の業者に見積もりを依頼している」と伝えておくとスムーズです。
また、見積もり依頼後は、選定結果をできるだけ早くすべての業者に伝えることが大切です。信頼を保つためにも、最後まで丁寧に対応しましょう。
廃棄物処理業者を変える
産業廃棄物の処理を担当している業者を変更することも、業者によって料金が異なるため、複数の業者の料金を比較することで、コストを抑えられます。
また、料金だけでなく、サービス内容や対応スピードも確認して、必要なサービスがしっかり提供される業者を選ぶことが大切です。新しい業者に切り替える際は、信頼できる業者を選ぶことも忘れないようにしましょう。
イーブライトは、柔軟に対応し、信頼と高い専門性でお客様の課題解決をサポートします。廃棄物処理でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
産業廃棄物処理業者選びのポイント
産業廃棄物処理のコストを削減するためには、業者選びが非常に重要です。適切な業者を選ぶことで、無駄な費用を避け、効率的に廃棄物を処理できます。ここでは、業者選定の際に注意すべきポイントを紹介します。
産業廃棄物処理業の許可を得ているか
業者が産業廃棄物処理業の許可を持っているか確認しましょう。産業廃棄物を運搬したり処理したりするには、自治体からの許可が必要です。無許可で運営している業者に依頼してしまうと、罰金や懲役のリスクがあります。
また、行政処分を受けているかどうかも確認しましょう。自治体の窓口で照会すれば、過去に処分を受けたかどうかがわかります。
優良認定を受けているか
業者が「優良認定」を受けているかどうかも重要なポイントです。2010年の廃棄物処理法改正により「優良産廃処理業者認定制度」が始まりました。この制度では、以下の5つの基準を満たした業者が認定されます。
- 法律の遵守
- 事業の透明性
- 環境への配慮
- 電子マニフェストの利用
- 健全な財務状況
優良認定は、業者が通常の許可基準より厳しい基準をクリアしている証です。認定を受けているかどうかは、環境省の「優良さんぱいナビ」で確認できるため、事前に確認しておきましょう。
リサイクルの取り組みを行っているか
業者選びの際は、リサイクルの取り組みを行っているか確認しましょう。近年は、環境に優しい取り組みが国内外問わず積極的に行われています。リサイクルに熱心に取り組むことで、環境負荷の軽減に貢献しながら企業のイメージアップ効果も期待できるでしょう。
イーブライトは、環境保護に全力で取り組み、クリーンでエコな社会の実現を目指しています。処分費用を明朗化し、再利用できるものはリサイクルし、環境保全へも力を入れています。
廃棄物区分で分別することが難しい混合廃棄物の処分も、ぜひ一度イーブライトにご相談ください。
まとめ
事業においてゴミは必ず発生するものであり、処理するためのコストも必要不可欠です。産業廃棄物の処理費用は業者によって異なりますが、ゴミを分別したり、設備を見直したりすることでコストを削減できます。
また、産業廃棄物を処理する業者を選ぶ際は、業者がリサイクル活動をしているかどうかを確認することが大切です。リサイクル活動を通じて、環境負荷の軽減にも貢献でき、企業のイメージ向上にもつながります。
産業廃棄物処理のサービスを提供しているイーブライトでは、企業から出る廃棄物の収集から分別、リサイクルまでを一貫して行うサービスを提供しています。また、リサイクル技術を活用し、環境への負荷軽減にも取り組んでおります。
産業廃棄物に関してお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。