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産業廃棄物の処分の流れとは?処分先の選定ポイントについて解説!
産業廃棄物の処分においては、適切な手順と信頼できる処分先の選定が重要です。産業廃棄物は、企業活動によって生じる特定の廃棄物であり、法律に基づいた厳格な管理が求められます。
この記事では、産業廃棄物の処分の流れと処分先の選定ポイントについて詳しく解説します。処分業者の選定ポイントも解説するため、現在、産業廃棄物をどう処理しようか悩んでいる方はぜひご覧ください。
産業廃棄物とは
産業廃棄物は、主に事業活動から生じる廃棄物のことです。工場や建設現場から出る廃材や化学薬品、そのほかの有害物質が含まれます。一般的な家庭から出る廃棄物とは異なり、産業廃棄物は環境への影響が大きく、特別な取り扱いが必要です。
産業廃棄物の種類や処理方法は、廃棄物処理法によって厳密に規定されています。企業は、こうした法令に従って厳格に処理をしなければなりません。
適切な処理が行われない場合、企業には厳しい罰則が科されることがあります。産業廃棄物に対する取り決めを正しく理解し、適切に処分することは、企業の重要な責務です。
産業廃棄物の処分の流れ
産業廃棄物の処分には、いくつかのプロセスが存在します。それぞれの段階ごとに、具体的な流れを説明します。
分別・保管
産業廃棄物は種類ごとに分別しなければなりません。分別は、その後の処理工程においても非常に重要なため、規定に則って行うべき作業です。産業廃棄物の分別は、以下のようなものに分かれます。
汚泥
燃えがら
クズ類(ガラス・ゴム・金属など)
廃油
廃プラスチック
がれき類
石綿含有産業廃棄物
水銀使用製品産業廃棄物
有害物質を含む産業廃棄物は、とくに厳格な基準に基づいて分別します。分別された廃棄物は適切な場所で保管するのも義務です。漏洩や汚染を防ぐために、厳重な保管管理が求められます。
不適切な保管は、周囲の環境への影響や処理の際のリスクを高めるため、決してあってはなりません。一箇所にまとめておくだけではなく、保管場所近隣には立ち入りができないよう囲いを設置するなど、環境省令で定める技術上の基準に従う必要があります。
なお、さまざまなものが混ざっている産業廃棄物は、混合廃棄物として処理します。こうしたものは通常の分別とは別に管理しなければならず、一般の産業廃棄物と同一には扱えないのも特徴です。
収集・運搬
分別・保管された産業廃棄物は、産業廃棄物処理法第11条1項によって公共のごみ収集場に出すことを原則禁じられているため、事業者または専門業者によって収集されなければなりません。
収集された廃棄物は、専用の車両を使用して処理施設まで運搬されます。廃棄物の運搬には、取り扱う廃棄物の種類に応じた運搬許可を必ず得ることが法律で義務付けられており、無許可での運搬は違法行為に該当します。
事業者が自ら運搬や処分を行うケースは少なく、許可を得た専門業者に委託することが一般的です。
中間処理
処理施設に到着した産業廃棄物は、まず中間処理が行われます。中間処理とは、廃棄物を物理的または化学的に処理し、減量化を図り、再生処理や最終処分の負担を軽減するための行程です。
この行程では焼却や破砕、化学処理などが行われます。廃棄物の体積を減少させ、有害物質が安全な形になるよう変換します。汚泥などの水分が多いものは脱水を行い、廃酸などは安定化が図られ中和されます。
中間処理が適切に行われないと、最終処分の際に環境への負荷が大きくなりかねません。処理業者には、慎重かつ確実に作業をすることが求められます。
再生処理・最終処分
中間処理を終えると、再生処理または最終処分が行われます。
再生処理はリサイクル可能な材料を選別し、新たな製品や資源として再利用する行程です。再利用が難しい廃棄物は、最終処分場で適切に処分されます。
元の素材を生かして別の物質にマテリアル化や、化学分解して減量化するケミカルなど、リサイクル方法はさまざまです。産業廃棄物を燃やしたり固形燃料にしたりして活用する、サーマルリサイクルも近年では注目されています。
最終処分には、埋め立てや焼却が一般的です。これらの処分方法は、環境への影響を最小限に抑えるよう設計されています。埋め立て場所は、海と陸の2種類があります。海に埋め立てる場合には投棄を行い、陸に埋め立てる場合には土の中に処理済みの廃棄物を入れます。
最終処分が完了しても、業者の仕事は終わりではありません。処分場では長期間にわたって監視が行われ、環境への影響がないか確認され続けます。
産業廃棄物の処分先の選定ポイント
産業廃棄物の運搬・処分業者を選定する際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。適切な処分先を選び、企業の責任を果たしつつ、環境への負荷を最小限に抑えましょう。ここでは、選定のポイントを詳しく解説します。
産廃処理の許可の有無
まず、業者が産業廃棄物処理に関する正式な許可を取得しているか確認することが重要です。必ず業者に許可証の提示を依頼するか、公式ホームページなどの記載をチェックしましょう。
無許可の業者に収集・処分を委託すると、企業自身が法律違反に問われる可能性があります。また、当該業者が得ている許可の内容が、処分を検討している廃棄物の種類に適合しているかも確認すべき要素です。
許可には、産業廃棄物に関する許可と、特別管理産業廃棄物に関する許可があります。廃棄物処理法によって「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」は後者に区分されるため、注意が必要です。
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行政処分の経歴の有無
検討中の業者が、過去に行政処分を受けた経歴があるかどうかも重要な確認ポイントです。過去に違反行為があった業者は再発のリスクがあるため、慎重に依頼を検討する必要があります。信頼性の高い業者を選びましょう。
優良産廃処理業者の認定の有無
優良産廃処理業者として認定を受けているかどうかもチェックするべきポイントです。この認定は、非常に厳しい基準をクリアした業者にのみ与えられます。
優良産廃処理業者の認定を受けているところは、大変信頼性が高い業者といえるでしょう。このように、認定によって安全性を保証された業者への依頼も有力な選択肢となります。
産業廃棄物を処分する際の注意点
産業廃棄物を処分する際には、いくつかの重要な注意点があります。法律に則った適正な処理をするために、以下の注意点を押さえましょう。
自らの責任で適正に処理する
産業廃棄物の排出事業者は、廃棄物の適正な処理を自らの責任で行う必要があります。法律では排出事業者が最終的な責任を負うとされ、不適切な処理をすると罰則が科される可能性があるためです。処理が適正に行われているかは、常に自身で確認することが求められます。
運搬や処分を委託する場合は委託基準を守る
廃棄物の運搬や処分を専門業者に委託する場合、委託基準を守ることが重要です。契約書を作成し、相手業者が法的な要件を満たしているかを確認しましょう。万が一のトラブルを防ぐことができます。
マニフェストを自らの手で交付する
産業廃棄物の処理には、マニフェストの交付が法律で義務付けられています。マニフェストとは、廃棄物の処理が適正に行われたことを確認するための重要な書類です。排出事業者が自らの手で交付せねばなりません。
マニフェスト交付後も、処理が完了するまでの間は管理を適切に行い、処理が完了したことを報告する必要があります。なお、マニフェストは5年間の保存義務があるため、作成後には大切に保管してください。
まとめ
産業廃棄物の処分は、適切な手順と信頼できる業者の選定が不可欠です。処分の流れを理解し、法律にしたがって処理を行うことで、環境への影響を最小限に抑えましょう。
企業の社会的責任を果たすために処分先の選定や注意点を押さえ、より安全に産業廃棄物を処分してください。常に最新の情報を把握し、企業として適切な産業廃棄物の処理を心がけましょう。
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収集できるものは、汚泥や金属・ガラスなどのクズからがれき類まで多岐にわたり、専門知識を有していなければ取り扱いの難しい混合廃棄物も回収可能です。一般廃棄物の回収も行っているため、さまざまな業種に対応しています。