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グリストラップを正しく清掃!ラーメン屋で押さえるべき頻度と清掃方法

ラーメン店を経営されている皆様にとって、グリストラップの清掃は避けて通れない重要な業務です。しかし「臭いがキツくて清掃が後回しになってしまう」「適切な清掃頻度がわからない」「スタッフへの負担が心配」といったお悩みをお持ちではありませんか?


この記事では、ラーメン屋特有のグリストラップの清掃課題から、正しい清掃頻度、そして専門業者に依頼するメリットまで詳しく解説します。適切な清掃管理により、店舗の衛生環境を保ち、お客様に安心してお食事いただける環境作りにお役立てください。


グリストラップって何?ラーメン屋での役割

グリストラップとは、飲食店の厨房排水に含まれる油分や食べ残しを分離・貯留し、下水道に直接流れ込むのを防ぐ装置のことです。とくにラーメン屋では、こってりとしたスープや大量の油脂を扱うため、グリストラップが果たす役割は非常に重要になります。


もしグリストラップが存在しなかったらどうなるでしょうか。


ラーメンスープの飲み残しや、油ギトギトの食器洗いから出る排水が、そのまま店舗の排水管へ流れ込んでしまいます。これらの油分は排水管内で冷えて固まり、やがて深刻な詰まりを引き起こし、営業に支障をきたすことになるでしょう。


さらに下水処理場への負担も増大し、環境汚染の原因ともなります。グリストラップは、店舗の正常な営業と公共下水道の環境を守るための、大切な存在です。


グリストラップの役割

グリストラップが果たす主な役割は以下のとおりです。


・配管の詰まり防止

ラーメンスープには大量の油脂が含まれており、これらが排水管で冷却されると固化し、深刻な詰まりを引き起こします。グリストラップがこれらの油脂を事前に分離することで、配管システムの正常な機能を維持し、突然の営業停止リスクを回避できます。


・下水処理場の負担軽減

公共下水道に流入する油脂を大幅に削減することで、下水処理場の処理能力への負担を軽減します。


・水質汚濁防止

BOD(生物化学的酸素要求量)や油脂分を基準値内に抑制し、河川や海洋への環境負荷を最小限に抑えます。環境保護への取り組みは、企業の社会的責任としても重要な意味を持ちます。


・悪臭発生抑制

適切に機能するグリストラップは、腐敗した有機物による悪臭の発生を大幅に抑制します。これにより店舗周辺の環境を清潔に保ち、近隣住民との良好な関係を維持できます。


・害虫発生防止

食品残渣や油脂の蓄積を制御することで、ゴキブリやハエなどの害虫の繁殖環境を断ちます。食品衛生法の観点からも、害虫対策は飲食店にとって必須の取り組みです。


これらの機能により、ラーメン屋の安定した営業環境が保たれています。


グリストラップの構造

グリストラップは基本的に3つの槽に分かれており、それぞれ明確な役割を担っています。


【1槽目:大きなゴミの除去】

網目状のバスケットで食べ残しや大きな固形物をキャッチします。ラーメンの具材やもやし、チャーシューの破片などがここで捕捉されます。バスケットで捉えきれない小さな残渣は、底部に沈殿物として蓄積されます。


【2槽目:油と水の分離】

水と油の比重差を利用して、1槽目で取りきれなかった油脂を浮上させて分離します。ラーメンスープに含まれる動物性油脂や背脂などが、ここで効率的に分離されるのです。


【3槽目:最終的な油脂除去】

トラップ管の働きにより、取り切れなかった油脂をさらに分離し、きれいな排水を下水道へ排出します。


グリストラップの設置に関係する法律

グリストラップの設置自体は、法律で直接的に義務付けられているわけではありません。しかし、関連する法規によって排水の基準が定められており、これらの基準を満たすためには事実上設置が必須となっています。


とくに各自治体では独自の条例でグリストラップ設置を義務付けているケースが多く、ラーメン屋のような油脂を多量に扱う飲食店では、法令遵守および環境保護、トラブル防止のために設置が不可欠です。


下水道法

下水道法では、公共下水道への排水について厳格な基準を設けています。水素イオン濃度、BOD(生物化学的酸素要求量)、ノルマルヘキサン抽出物質(動植物油脂含有量)といった項目で基準値が定められており、これらを超える排水を流すことは禁止されています。


ラーメン屋から排出される油脂分の多い排水は、グリストラップなしでは基準値を大幅に超えてしまう可能性が高く、排水基準違反として改善指導や罰則の対象となるリスクがあります。


出典:e-GOV法令検索「下水道法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000079


水質汚濁防止法

水質汚濁防止法では、床面積420㎡以上の飲食店を特定施設として位置付け、より厳しい排水管理を求めています。しかし、この基準に該当しない小規模なラーメン屋であっても、自治体の条例によってグリストラップ設置が必要となる場合があるため、注意が必要です。


地域によっては独自の排水基準を設けており、違反した場合には営業停止処分や罰金が科される可能性もあります。


出典:e-GOV法令検索「水質汚濁防止法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000138/


建築基準法

建築基準法第129条では、排水設備の設置が規定されており、国土交通大臣が定めた構造方法を用いることが求められています。


油脂やガソリンといった有害物質を排水する場合には、適切な処理設備の設置が必要とされ、ラーメン屋ではグリストラップがその役割を果たします。


3つの法律により排水の汚濁を防ぐ施設の設置が定められているため、ラーメン屋では設置しなければならないケースがほとんどなのが実情です。


出典:e-GOV法令検索「建築基準法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201


グリストラップを設置しないことで生じるリスク

グリストラップの設置を怠ったり、適切な清掃を行わなかったりすると、ラーメン店経営に深刻な影響を与えるさまざまなリスクが発生します。


排水詰まりが起きる

油脂や固形物が排水管に蓄積すると、排水の流れが悪くなり、最終的には完全に詰まってしまいます。とくにラーメン屋の場合、動物系スープの油脂は冷えると固まりやすく、排水管内でストッパーの役割を果たしてしまうのです。


排水詰まりが発生すると、厨房での作業が停止し、営業継続が困難になります。1日がかりの工事になることもあり、経営への影響は大きいです。


損害賠償が発生する

定期的に清掃を行っていた場合でも、不十分だったために詰まりが発生し、近隣に被害を与えてしまえば、賠償責任が発生する可能性もあります。


とくにビルの上階にあるラーメン店で排水詰まりによる水漏れが発生した場合、下階のテナントへの被害は大きくなることがあります。


ラーメン屋のグリストラップ清掃の頻度は?

ラーメン屋のように油脂分の多い料理を扱う店舗では、高い頻度でのグリストラップ清掃が必要です。とくにラーメン屋は油脂や残渣物が多いにもかかわらず、グリストラップのサイズが小さいところが多く、定期的な清掃が必須となります。


さらに、湯気などで厨房の温度が高くなるため、高温多湿が要因となって菌の活動が活発になり、より早く臭気が発生してしまう特性があります。


このような環境要因を考慮すると、本格的なグリストラップの清掃は月1回以上実施することが推奨されます。


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1槽目(バスケット)

バスケットは食べ残しや固形物を直接キャッチする部分のため、最も頻繁な清掃が必要です。毎日の営業終了後には必ずバスケット内のゴミを除去し、水洗いを行いましょう。


毎日の清掃に加えて、週に1回は徹底的な洗浄を実施することをおすすめします。高圧洗浄機や専用洗剤を使用することで、頑固な汚れも効率的に除去できます。この際、バスケットの破損や劣化がないかもあわせて点検し、問題があれば早めに交換することが大切です。


2槽目(油脂)

油脂の除去は、基本的に1週間に1回程度が目安となります。ただし、ラーメン屋の場合、油脂分が非常に多いため、油膜が1cm以上になる前には必ず除去するようにしましょう。


専用の油吸着材を使用して表面の油を吸収し、スキマーやネットで浮遊油をすくい取ります。より効率的に作業を行いたい場合は、バキューム装置で油層を吸引し、高圧洗浄機で油を剥離・回収する方法も有効です。


繁忙期や夏場の高温時期には、通常より頻度を上げて対応することが重要です。


1・2槽目(沈殿物)

沈殿物の除去は、1か月に1回程度が一般的な頻度です。バケツやスコップを使って沈殿物をすくい取るのが基本的な方法ですが、量が多い場合は専用の吸引機を使用することで効率的かつ衛生的に作業を行えます。


ラーメン屋の場合、麺のくずやスープの具材が沈殿物として蓄積しやすいため、状況に応じて頻度を調整する必要があります。沈殿物が1/3以上たまっている場合は、予定を前倒しして清掃を実施しましょう。


3槽目(トラップ管)

トラップ管の清掃は、2〜3か月に1回程度の頻度で実施します。洗剤を溶かした水でトラップ内部全体を満たし、ブラシやスポンジを使って壁面や底面をしっかりとこすります。


汚れがひどい箇所については、高圧洗浄機を使用することも有効です。清掃後は不快な臭いの発生を防ぐため専用の消臭剤の使用をおすすめします。


ここで重要なのは、グリストラップ内の廃棄物(バスケット内は除く)は産業廃棄物となるため、専門の産業廃棄物処理業者に依頼して処理する必要があることです。


適切な廃棄物処理を行わないと法令違反となるため、産業廃棄物処理の許可を持つ専門業者による定期的な点検・清掃を利用するのがおすすめです。


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まとめ

ラーメン屋のグリストラップ清掃は、店舗の衛生管理と法令遵守において欠かせない重要な業務です。月1回以上の本格清掃と毎日のバスケット清掃を基本とし、油脂や沈殿物の蓄積状況に応じて適切な頻度で実施することが大切です。


しかし、グリストラップ清掃は非常に労力のかかる作業であり、従業員への負担も大きく、不適切な廃棄物処理は法令違反のリスクをともないます。さらに、ラーメン屋特有の高温多湿環境では、通常以上に菌が活発になり、臭気発生のリスクも高まります。


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