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飲食店の内装で押さえるべきポイント丨集客できる店舗デザインと費用相場を解説
飲食店づくりで多くの方が気になるのは「集客につながる内装をどう設計するか」という点です。とくにSNSで情報を探す人が増えた現代では、コンセプトや居心地のよさは売上にも影響します。
一方で、見た目だけを重視すると、動線が悪くなったり、衛生管理がしづらくなったりする恐れがあります。内装設計では、デザイン性と機能性の両立が欠かせません。
本記事では、集客につながる内装の考え方、費用相場、さらには業者選びまでを紹介します。開業準備で不安のある方は、ぜひ参考にしてください。

飲食店の内装が重要な理由
飲食店の内装は、集客や売上はもちろん、リピート率やスタッフの働きやすさにも大きく関わる重要なポイントです。ここでは、内装が飲食店経営に与える影響と、その重要性について解説します。
集客や売上を大きく左右する要素だから
飲食店の内装は、初めて来店するお客様が店舗を選ぶ際の大きな判断材料になります。
また、内装は集客だけでなく、リピートの獲得にも直結します。料理の味が同程度なら、より居心地のよい空間を選ぶのは自然なことです。落ち着ける空間や特別感のある内装は記憶に残り「また来たい」と思わせる理由になります。
さらに、飲食業界は競争が激しいため、独自のコンセプトを内装で表現することは他店との差別化につながります。
スマートフォンとSNSによって近年ではより重要に
スマートフォンとSNSの普及により、飲食店における内装の重要性はさらに高まっています。お客様が店内で撮影した写真や動画をSNSに投稿すれば、広告費をかけなくても多くの新規顧客へ情報を届けられます。
とくに「インスタ映え」する内装であれば、お客様が自ら発信者となり、口コミのように情報が広がっていきます。視覚的な魅力を備えた空間づくりは、現代の飲食店のマーケティングに欠かせない要素です。
顧客満足度アップにつながるから
料理のおいしさに加えて、内装がつくり出す雰囲気は食事体験そのものを大きく左右します。落ち着いて過ごせる空間であれば、お客様がゆっくり滞在しやすくなり、結果として追加注文の機会が増えることもあります。
また、コンセプトに沿った統一感のあるデザインは、お客様に特別な時間を過ごしているという感覚を与え、満足度を高めます。こうした印象は記憶に残りやすく、リピート率にもつながる重要な要素です。
従業員のモチベーションも向上するから
内装が影響を与えるのはお客様だけではありません。動線が整理され、作業しやすいレイアウトであれば、従業員のストレスは大きく減ります。とくに、通路幅の確保や滑りにくい床材の採用は安全性を高め、転倒などの事故防止にも役立ちます。
こうした働きやすい環境は、従業員の定着率を高める効果もあります。さらに、魅力的な内装の店舗で働けること自体が誇りとなり、モチベーションの向上にもつながります。その結果、サービス品質が高まり、顧客満足度の向上にも結びつきます。
飲食店の内装をデザインする際のポイント
内装が集客力やリピート率に大きく影響することを踏まえると、どのようなデザインにするかを戦略的に考えることが欠かせません。ここでは、飲食店の内装をデザインする際に押さえておきたい基本ポイントを具体的に解説します。
ターゲットを明確にする
内装デザインを考える際は、まず「どのようなお客様に来てほしいのか」を明確にすることが重要です。ターゲットが定まることで、必要な雰囲気や設備、レイアウトの方向性が自然と決まっていきます。
たとえば、若い世代をメインに想定するなら、モダンでカジュアルな雰囲気が好まれます。高齢の方が多い店舗であれば、落ち着いた配色や座りやすい椅子、バリアフリーへの配慮などが欠かせません。
また、ビジネスパーソン向けのランチ需要を狙う場合は、明るく清潔感のある内装にしつつ、回転率を意識した席配置が効果的です。一方、夜にゆっくり食事を楽しむ大人向けの店舗なら、落ち着いた照明やプライバシーに配慮したレイアウトが求められます。
お店のコンセプトを明確にする
ターゲット像が明確になったら、次に必要なのが「お店のコンセプト」を定めることです。コンセプトがあいまいだと空間に統一感がなく、お客様にとって落ち着かない印象を与えてしまいます。
たとえば「リーズナブルな価格で家族が気軽に楽しめる和食店」というコンセプトであれば、木目調のぬくもりのある内装や広めの座席配置、明るい照明といった要素が自然と導かれます。
また、コンセプトはメニューやサービスとも連動している必要があります。料理のジャンルや価格帯、サービススタイルと内装が一致しているほど、お客様は違和感なく店舗の世界観に入り込めます。
こちらの記事では、飲食店のコンセプトの決め方について解説しています。コンセプトが反映される主要な要素やコンセプトを決める際の具体的な方法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
配色で世界観を作り込む
色には特定の印象を連想させる心理的な効果があり、コンセプトに合う色を選ぶことで店舗の世界観をより鮮明に表現できます。
たとえば、レストランの席周りに暖色系を使うと食欲が刺激されます。バーで青色の照明を使うのは、カクテルを美しく見せるためです。このように、業態やコンセプトに合わせて色を使い分けることが内装デザインではとても重要です。
色は3種類以内にまとめる
内装の配色では、使う色を絞り込むことが大切です。色が多すぎると視界が散らかり、落ち着かない空間になってしまいます。そこで、ベースとなる色をひとつ決め、最大でも3色程度にまとめると統一感が生まれます。
たとえば、白を基調に木目調を合わせ、アクセントとして緑を加えると、まとまりがありながら単調にならない空間を作れます。
上半分は明るく・下半分は落ち着いた色にする
空間に統一感を持たせたい場合は、上下で色の明度を変える方法が効果的です。天井や壁の上部には明るい色を使い、床など下部には落ち着いた色を配置すると、圧迫感が和らぎ、全体のバランスが整った印象になります。
アクセントカラーも取り入れよう
白を基調とした内装は清潔感がありますが、そのままでは単調になりやすい面があります。そこで、ベースカラーと調和する色をアクセントとして取り入れると、店舗の個性を表現できます。
照明で雰囲気を演出する
照明は店舗の印象を左右する大切な要素です。同じ内装でも、照明の明るさや色味を変えるだけで雰囲気は大きく変わります。ダウンライトやペンダントライト、間接照明などを組み合わせて配置すると、空間全体の魅力をより引き立てることができます。
明るさ
照明の明るさは、業態に合わせて調整することが大切です。回転率を重視するラーメン店やファミリーレストランでは、店内を明るくすると活気が生まれます。
一方で、高級感や落ち着いた雰囲気を出したい場合は、天井付近を明るくし、下に向かうほど少し暗くする方法が効果的です。
また、飲食店では風営法により5ルクス以下の照度が禁止されています。
出典:e-Gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則第7条」(https://laws.e-gov.go.jp/law/360M50400000001/20230713_505M60400000012)
色味
照明の色味も店舗の雰囲気を大きく左右します。電球色やオレンジに近い暖色系の照明は、落ち着きとリラックス効果をもたらし、料理をよりおいしそうに見せてくれます。
一方で、白色系のクリアな照明は清潔感を強調し、明るく活気のある雰囲気を作り出します。回転率を高めたい店舗では、このような照明が効果的です。
照明の種類
ダウンライトは天井に埋め込む照明で、店内を均一に照らすのに向いています。ペンダントライトは天井から吊り下げるタイプで、テーブル上をしっかり照らしたいときに便利です。間接照明は壁や天井に光を反射させるため、柔らかく落ち着いた雰囲気をつくれます。
これらを組み合わせて配置することで、空間に立体感が生まれ、より魅力的な内装になります。
お客様もスタッフも使いやすい動線・レイアウトにする
内装デザインでは、見た目の美しさと同じくらい機能性が重要です。動線やレイアウトは、お客様の快適さだけでなく、従業員の作業効率にも影響し、店舗全体の運営を大きく左右します。
とくに、スタッフとお客様の動線が交差しないように設計することで、混雑時でもスムーズにサービスを提供でき、安心して利用できる環境を整えられます。
レジ周りのレイアウト
レジは、店舗全体のレイアウトを考えるうえで最初に検討すべきポイントです。入口付近に配置すると、食事スペースと支払いスペースを自然に分けられます。その結果、会計待ちのお客様と食事中のお客様が干渉せず、どちらも快適に過ごせます。
厨房のレイアウト
厨房のレイアウトは、調理効率と衛生管理の両面でとても重要です。調理、提供、片付けの3つの動線を考えて計画することで、作業効率を大きく高められます。スタッフ同士の動きが重ならないように、調理エリア、盛り付けエリア、洗浄エリアを分けておくと、スムーズな作業につながります。
また、厨房には法的な規制や衛生基準もあります。火気を使う場所では不燃材の使用が求められ、場合によってはグリストラップの設置も必要です。これらは衛生管理や廃棄物処理に直結する重要な設備です。
とくにグリストラップは、油脂を含む排水を適切に処理するために欠かせず、定期清掃も法律で義務付けられています。内装を計画する段階で、こうした衛生設備の配置やメンテナンス方法まで考えておくことが、開業後の安定した運営につながります。
出典:e-Gov法令検索「建築基準法施行令 第百二十八条」(https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338#Mp-Ch_5_2-At_128_4-Pr_1-It_1:~:text=%E7%AD%89%E3%81%AE%E5%86%85%E8%A3%85%EF%BC%89-,%E7%AC%AC%E7%99%BE%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%85%AB%E6%9D%A1%E3%81%AE%E4%BA%94,-%E5%89%8D%E6%9D%A1%E7%AC%AC%E4%B8%80%E9%A0%85)
フロアのレイアウト
フロアのレイアウトでは、スタッフとお客様の動線が交差しないようにすることが大切です。テーブルの間には十分なスペースを取り、通路幅は最低でも90cm、理想的には120cmほど確保すると動きやすくなります。
また、座席配置は利用シーンに合わせて工夫すると効果的です。一人客向けのカウンター席、カップル向けの2人掛けテーブル、家族向けのボックス席など、席の種類をそろえることで幅広いお客様に対応できます。
インテリアのレイアウト
インテリアの配置は、お客様の印象や店舗全体の雰囲気を大きく左右します。料理との調和を意識して選ぶことが重要です。
たとえば、和食店であれば木材や竹を使った和風のインテリア、イタリアンであればモダンで洗練されたデザインがよく合います。料理のジャンルに合わせて統一感を持たせることで、心地よい空間を作れます。
飲食店の内装工事にかかる費用の目安
内装デザインの方向性が固まったら、次に知っておきたいのが工事費用のおおよその目安です。飲食店の内装工事費用は、店舗の広さや業態、物件の状態によって大きく変わります。
とはいえ、一般的な相場を知っておくと予算を立てやすくなります。ここでは、坪単価の目安と主な費用の内訳について解説します。
飲食店の内装工事費丨坪単価の目安
飲食店の内装工事費用は、一般的に坪単価30〜60万円が目安とされています。ただし、店舗の規模や工事内容によって大きく変わります。
たとえば、小規模な居酒屋なら30万円ほど、おしゃれなカフェでは60万円前後、高級レストランでは100万円を超える場合もあります。
とくに、厨房機器の導入、ダクト工事、給排水設備といった設備関連の工事は、費用が増えやすいポイントです。
また、スケルトン物件は内装を一からつくり上げる必要があるため費用が高くなる傾向がありますが、居抜き物件であれば既存設備を活用できるため、初期費用を抑えられる可能性があります。
飲食店の内装工事費の内訳
内装工事費用は大きく分けて、設計費、施工費、設備工事費の3つがあります。
設計費は、内装のコンセプトを形にするためのデザイン提案や設計図の作成にかかる費用で、全体の5〜15%が目安です。施工費には、床や壁、天井の仕上げ工事、塗装、クロス貼り、防水工事などが含まれます。
設備工事費は、厨房設備、空調設備、電気工事、給排水やガスの配管などにかかる費用です。飲食店ではこの部分が全体の30〜60%を占めることが多く、最も大きな費用項目になります。
とくに厨房設備は衛生基準や回転率に直結するため、優先して投資するべきポイントです。
飲食店の内装工事を依頼する業者のチェックポイント
内装工事の相場を把握したら、次に重要になるのが「どの業者に依頼するか」です。内装工事を依頼する業者選びは、理想の店舗を形にできるかどうかを左右する大切な工程です。
ここでは、内装工事を依頼する際にチェックしておきたいポイントを紹介します。
業者の得意分野と実績
内装業者には、それぞれ得意とする業種・業態があります。飲食店の場合は、動線設計や厨房設備、消防法、衛生管理など、専門的な知識が求められるため、自店の業態に近い施工経験を持つ業者を選ぶことが重要です。
業者の公式ウェブサイトや口コミサイトで過去の実績を確認し、目指す店舗のイメージに近い施工例があるかどうかをしっかりチェックしましょう。実績が豊富な業者ほど、課題への対応力や提案の幅も期待できます。
デザインから施工まで一貫で対応してくれるか
デザインと施工をそれぞれ別の業者に依頼すると、連携や調整に時間がかかり、その分コストが増えてしまうケースがあります。
その点、デザインから施工までを一貫して対応できる業者であれば、工程をスムーズに進められるため、時間と費用の両方を抑えやすくなります。スケジュール管理もしやすく、開業予定日に間に合わないといったトラブルの防止にもつながります。
アフターフォローの充実度
店舗の内装は、完成したら終わりではありません。実際に営業を始めてみると、想定していなかった不便さや改善点が見えてくるものです。
とくに厨房設備や空調設備の不具合は、営業に直接影響します。そのため、開業後のトラブルや修繕に迅速に対応してくれる業者がいることは非常に重要です。
アフターフォロー体制が整っている業者であれば、安心して店舗運営を続けることができ、結果として長期的な安定につながります。
提案の質と柔軟性
コンセプトやこちらの意図を丁寧に汲み取り、適した素材や演出を提案してくれる業者であれば、理想の店舗づくりがぐっと進めやすくなります。
さらに、営業中の動きや維持コストまで考慮したうえで、メリット・デメリットを含めてアドバイスしてくれるかどうかも重要な判断ポイントです。
そのため、相談段階での接客対応、見積書の内容、提出される図面案などをしっかり確認し、提案力や柔軟な対応力が備わっているかを見極めましょう。
【補足】複数の業者から相見積もりを取ろう
内装業者は独自に価格を設定しているため、同じ工事内容でも業者ごとに費用が大きく異なることがあります。相見積もりを取ることで、内装工事費の相場や内訳を把握し、適正な価格でサービスを提供する業者を比較できます。
ただし、最も安い業者を選べばよいというわけではありません。極端に低い見積もりには、必要な工程が省かれていたり、後から追加費用が発生するリスクがあります。価格と品質のバランスを見極めることが大切です。
まとめ
飲食店の内装は、集客や売上、顧客満足度、従業員のモチベーションに直結する重要な経営戦略です。とくに、動線設計は日々の運営効率に直結するため、内装計画の段階から十分に検討する必要があります。
魅力的な内装が整っていても、店舗運営を支える「衛生管理」が不十分では意味がありません。内装と同じく、店舗を安全に維持するための仕組みづくりも欠かせないポイントです。
飲食店では、一般ゴミや産業廃棄物の処理に加え、グリストラップの定期清掃が不可欠です。これらを怠ると、悪臭・害虫・排水トラブルなどの衛生リスクが高まり、最悪の場合、法令違反となる恐れもあります。
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