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廃プラスチックとは?ゴミの区分や処理の課題・リサイクル方法を解説

飲食店を営んでいると、テイクアウト用の容器やラップ、ポリ袋など、毎日大量のプラスチックゴミが出ます。「これは普通のゴミとして出してよいのだろうか」「もし間違えたら罰則があるのだろうか」と不安に感じたことはないでしょうか。

廃プラスチックは法律上「廃プラスチック類」として産業廃棄物に分類されており、処理方法を誤ると法令違反になるおそれがあります。本記事では、廃プラスチックの定義から種類、処理の現状、リサイクル方法、処分時のポイントまでわかりやすく解説します。

廃プラスチックとは

廃プラスチックとは、使い終わって不要になったプラスチック製品や、製造・加工の過程で生じたプラスチックのくずを指します。法令上は「廃プラスチック類」と呼ばれ、廃棄物処理法が定める産業廃棄物20種類のひとつです。

環境庁の通知によると、廃プラスチック類の定義は「合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくず等、合成高分子系化合物に係る固形状および液状のすべての廃プラスチック類を含むもの」とされています。難しく聞こえますが、要するにプラスチック素材でできた廃棄物はほぼすべてここに含まれます。

飲食店を例にとると、テイクアウト用の弁当容器、ストロー、使い捨てのビニール袋、業務用ラップ、調味料の空き容器など、毎日の営業で当たり前のように使うものが廃プラスチックにあたります。「うちの店には関係ない」と思っていた方も、実は身近な問題だとわかります。

出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第2条第2・4項」(https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137

廃プラスチックの例

廃プラスチックには、さまざまな種類のプラスチック素材が含まれます。素材別に代表的なものを挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなどがあります。

飲食店の現場でよく目にする廃プラスチックの具体例としては、以下のものが挙げられます。

  • 弁当容器・惣菜トレイ
  • テイクアウト用のカップ・フタ
  • 使い捨てストロー・スプーン・フォーク
  • ポリ袋・レジ袋・ビニール袋
  • 業務用ラップ・フィルム類
  • ペットボトル
  • 発泡スチロール製の容器・梱包材
  • 使い捨て手袋

このように、飲食店から出るゴミの多くが廃プラスチック類に該当し、適正処理の対象となります。

産業廃棄物と一般廃棄物の違い

廃プラスチックを含む廃棄物の区分で最も重要な判断基準は「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の違いです。この区分を誤ると適切な処理ができず、法令違反になるおそれがあります。

廃棄物処理法では、廃棄物を「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分類しています。判断のポイントは「事業活動にともなって生じた廃棄物かどうか」です。飲食店の営業活動から出るプラスチックゴミは、原則として産業廃棄物として処理しなければなりません。

ただし、従業員が個人的に食べたお弁当の容器や飲み終えたペットボトルは、直接の事業活動とは関係がないとも考えられます。自治体によって判断が異なるため「うちの自治体ではどちらになるか」を管轄の自治体によく確認しましょう。思い込みで処理すると、後からトラブルになることがあります。

出典:e-Gov法令検索「廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第2条第2・4項」(https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137

こちらの記事では、産業廃棄物と一般廃棄物の違いについて、より詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

日本における廃プラスチックの排出・処理の現状

日本は世界有数のプラスチック消費国であり、廃プラスチックの排出量も多い国のひとつです。一般社団法人プラスチック循環利用協会の「プラスチックリサイクルの基礎知識2025」によると、日本における廃プラスチックの有効利用率は8割を超えています。しかし、その内訳の多くを占めるのは焼却によるエネルギー回収、すなわちサーマルリサイクルであり、素材として再利用される割合は限られています。

廃プラスチックの処理をめぐる状況は、ここ数年で大きく変化しています。かつて日本は廃プラスチックの大部分を海外に輸出して処理を委託していましたが、2017年以降、輸出先の規制が相次いで強化されました。その結果、国内での処理が急務となり、処理コストの上昇や施設不足が社会問題となっています。

出典:一般社団法人 プラスチック循環利用協会「プラスチックリサイクルの基礎知識2025」(https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf1.pdf

【2017年~】廃プラスチックの海外輸出が規制

2017年末、中国政府は環境保護政策の一環として、廃プラスチックを含む廃棄物の輸入を事実上禁止しました。それまで日本の廃プラスチックの大部分は中国へ輸出されていたため、この措置は国内の廃棄物処理業界に大きな打撃を与えました。

中国の禁輸措置を受け、輸出先は台湾・ベトナム・タイなど東南アジア各国へと移りましたが、それらの国々でも次々と輸入規制が強化されていきました。行き場を失った廃プラスチックは国内で処理せざるを得なくなり、処理コストの上昇が飲食店を含む排出事業者にも影響を及ぼすようになっています。

分別を徹底することが、コスト管理の観点からも重要です。

出典:一般社団法人 日本経済団体連合会「外国政府による廃プラスチック類輸入禁止と国内資源循環への影響について聞く」(https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2019/0228_08.html

【2021年~】バーゼル条約によりさらに規制強化

2021年には、有害廃棄物の国境を越える移動を規制するバーゼル条約の附属書が改正され、廃プラスチックの輸出入規制がさらに強化されました。この改正により、汚れや異物が混入した廃プラスチックは「規制対象廃棄物」として扱われ、輸出入には相手国の事前同意が必要となりました。

実務上の大きな変化は「分別の質がより重視されるようになった」という点です。汚れた状態で廃プラスチックを排出すると、リサイクル資源として活用することが難しくなり、焼却や埋め立て処分につながる可能性があります。飲食店が適切に分別・洗浄して排出することは、プラスチック資源の循環を促進し、環境負荷の低減にもつながります。

出典:環境省「バーゼル条約附属書改正と改正を踏まえた国内運用について」(https://www.env.go.jp/recycle/yugai/pdf/r030315_01.pdf

廃プラスチック処理にまつわる3つの課題

廃プラスチックの処理をめぐっては、社会全体で解決が急がれる課題があります。飲食店が適正処理に取り組む意義を理解するうえで、3つの課題を解説します。

最終処分場のひっ迫

廃プラスチックを含む産業廃棄物は、リサイクルできないものは最終的に埋め立て処分されます。しかし、日本では埋め立て地の残余容量が年々減少しており、残り約20年分とされています。

環境省のデータによると、最終処分場の数自体も減少傾向にあり、新たな処分場の確保も容易ではありません。廃プラスチックをできるだけリサイクルに回し、埋め立てに頼る量を減らすことが急務です。飲食店が分別を徹底してリサイクル品質の高い廃プラスチックを排出することは、こうした社会課題の解決につながります。

出典:環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和6年度)について/最終処分場の状況」(https://www.env.go.jp/press/press_03502.html

出典:科学技術情報発信・流通総合システム「一般廃棄物最終処分場の現状と課題」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/mcwmr/23/5/23_366/_pdf

焼却時に排出される温室効果ガス

プラスチックは石油を原料とする素材であり、焼却すると二酸化炭素などの温室効果ガスが排出されます。日本では廃プラスチックの多くがサーマルリサイクルとして処理されており、エネルギーとして有効活用できる一方で、二酸化炭素の排出を避けることはできません。

地球温暖化対策の観点では、焼却を伴うサーマルリサイクルよりも、素材として再利用するマテリアルリサイクルや、化学原料として再利用するケミカルリサイクルが重要視されています。飲食店で使用済み容器の汚れを軽く落とし、適切に分別して排出することは、より高度なリサイクルにつなげるための第一歩です。

環境汚染

廃プラスチックが適切に処理されず海洋や自然環境に流出すると、深刻な環境汚染を引き起こします。とくに問題視されているのがマイクロプラスチックです。プラスチックは自然環境では数百年にわたって分解されず、細かく砕かれてマイクロプラスチックと呼ばれる5mm以下の微細な粒子になります。

マイクロプラスチックは海洋を漂い、魚やプランクトンに取り込まれます。食物連鎖を通じて最終的に人間が食べる魚介類にも影響を与える可能性が指摘されており、食材の安全を守ることを生業とする飲食店にとっても無関係ではありません。適正処理業者に依頼することが排出事業者の責務です。

廃プラスチックのリサイクル方法

廃プラスチックは「ゴミ」として捨てるだけでなく、さまざまな方法で新たな資源として生まれ変わります。主なリサイクル方法は、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・サーマルリサイクルの3種類です。

それぞれの仕組みを理解することで、自分の店のゴミがどう活用されるかをイメージできます。

マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルとは、廃プラスチックを素材として再利用する方法です。回収した廃プラスチックを洗浄・粉砕・溶融して、ペレットと呼ばれる粒状の原料に加工し、新しいプラスチック製品の原料として再び使います。

ペットボトルが再びペットボトルに生まれ変わる「水平リサイクル」は、その代表例です。回収した廃プラスチックから公園のベンチや衣類用の繊維が作られることもあります。廃プラスチックを最も有効に活用できる方法とされていますが、異物や汚れがあるとリサイクル品質が下がるため、飲食店での分別と洗浄の徹底が品質向上につながります。

ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルとは、廃プラスチックを化学的に分解して、化学原料や燃料として再利用する方法です。高温・高圧の環境下で廃プラスチックを分解し、水素やメタノールなどの基礎化学品を取り出します。

マテリアルリサイクルと比べると処理コストが高い点がデメリットですが、複数の素材が混合していたり、多少の汚れがあったりする廃プラスチックにも対応できる点が強みです。技術の進歩とともに普及が進んでおり、今後の拡大が期待されているリサイクル手法です。

廃プラスチックが燃料や新たな素材に生まれ変わると知ると、分別して排出することへのモチベーションも高まるのではないでしょうか。

サーマルリサイクル

サーマルリサイクルとは、廃プラスチックを焼却する際に発生する熱エネルギーを回収・活用する方法です。日本では廃プラスチック処理の中で最も広く普及しており、発電や工場の熱源として活用されるほか、RPFと呼ばれる固形燃料として製紙工場などの燃料に利用されることもあります。

エネルギーとして再活用できる点は評価されていますが、焼却時に二酸化炭素が排出されるため、マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルよりも環境負荷が高いとされています。

廃プラスチックを分別・洗浄して排出することは、サーマルリサイクルへの依存を減らし、より環境負荷の低いリサイクルを促進するための基本的な取り組みとなります。

廃プラスチックを処分する際に押さえておくべきポイント

廃プラスチックを処分する際には、排出事業者として守らなければならないルールがあります。「知らなかった」では済まされない責任が伴うため、以下のポイントをしっかり把握しておきましょう。

分別を徹底する

廃プラスチックの処理品質を左右するのが「分別の徹底」です。金属や食品残渣といった異物が混入すると、マテリアルリサイクルに回せなくなり、焼却や埋め立てに頼ることになります。

飲食店で実践してほしい分別のポイントは、以下の2つです。

  • 容器の食べカスや汚れを軽く落としてから排出すること
  • プラスチックと金属や紙が一体になっているものは、缶のふたやラベルなどはがせるものを可能な範囲で分けてから排出すること

分別が徹底されるほどリサイクルに回せる量が増え、最終的には処理コストの抑制にもつながります。コストと環境の両方にとってメリットのある取り組みです。

不正処理を行う業者には依頼しない

廃棄物処理法では、排出事業者に「排出事業者責任」が課されています。廃棄物を処理業者に委託した後も、適正に処理されるよう配慮・確認する責任が排出事業者にあるという考え方です。

委託した業者が廃プラスチックを不法投棄したり、無許可で処分したりした場合、排出事業者も措置命令の対象となる可能性があります。「業者に渡したから自分は関係ない」とはならず、責任が残る点に注意が必要です。

信頼できる業者かどうかを見極めるためには、産業廃棄物収集運搬業・処分業の許可証の有無、マニフェストの適切な発行、料金が相場から大きく外れていないかといった点を確認しましょう。

処理コストも考慮して業者を選ぶ

廃プラスチックの処理費用はkg単価で設定されることが多いですが、kg単価だけで業者を比較するのは危険です。回収頻度・運搬距離・廃プラスチックの汚れ具合・計量方法なども、実際のコストに影響します。

「kg単価が安い」だけで選ぶのではなく、計量方法が明確か、運搬費や作業費が別途加算されないかなど、トータルコストで判断することが重要です。費用の内訳を明確に説明してくれる業者は、それだけ処理の透明性が高いと判断できます。

廃プラスチックの重量は水分量や季節によっても変化するため、定期回収サービスの活用も含めてコストを検討するとよいでしょう。

イーブライトが提供している産業廃棄物処理サービスの詳細は、こちらからご覧いただけます。サービス対応地域や定期回収ができる産業廃棄物の具体品目例も載せているため、ぜひご参考ください。

廃プラスチックの処分に関するQ&A

最後に、飲食店オーナーからよく寄せられる疑問をQ&A形式で整理します。

廃プラスチックは産業廃棄物?一般廃棄物?

判断に迷いやすいのが、お弁当の容器や飲み終えたペットボトルです。これらは従業員の食事に由来し、直接の飲食業務とは切り離せるとも考えられます。

そのため、自治体によっては一般廃棄物として処理を認めているケースがあります。たとえば東京都23区では、事業系の弁当ガラを一廃として扱える場合があります。

一方で、お客さまに提供したテイクアウト容器の回収分や、仕入れ・仕込みで生じた包装フィルムなど、営業に直結するプラスチックゴミは産業廃棄物です。同じ容器でも「誰が使ったか・何のために生じたか」によって区分が変わります。

判断に迷う品目は、管轄の自治体か処理業者に確認しましょう。思い込みで処理すると、後から法令違反を指摘されるリスクがあります。

廃プラスチックは業種指定されている?

廃プラスチック類は業種指定がない産業廃棄物です。廃棄物処理法では、産業廃棄物の種類によって「特定の業種のみ産廃扱いとなる」ものがありますが、廃プラスチック類にはそのような業種限定はありません。

製造業・建設業・飲食業・小売業・サービス業など、あらゆる事業者が廃プラスチックを排出した場合は、産業廃棄物として適正に処理する必要があります。飲食店も例外ではありません。

廃プラスチックの処分費用はどのくらい?

廃プラスチックの処分費用はkg単価で設定されることが多く、廃プラスチックの種類、汚れの状態、回収頻度、運搬距離などによって変わります。

そのため、費用を比較する際はkg単価だけでなく、運搬費、計量方法、定期回収かスポット対応かなども含めたトータルコストで判断することが重要です。極端に安い業者は不正処理のリスクもあるため、許可証の有無もあわせてよく確認しましょう。

まとめ

本記事では、廃プラスチックの定義や種類、処理の現状と課題、主なリサイクル方法、適正に処分するためのポイントについて解説しました。

飲食店などの事業活動で発生するプラスチックゴミは、種類によって産業廃棄物として扱われ、適切な処理が求められます。万が一、不法投棄や無許可業者への委託を行った場合、処理を依頼した排出事業者側にも責任が及ぶ可能性があります。

廃プラスチックを適正に処理するためには、正しい分別を行ったうえで、廃棄物処理法を遵守した信頼できる処理業者へ依頼することが重要です。適切な業者選びは、法令違反のリスクを防ぐだけでなく、廃棄物処理にかかる手間やコストの削減にもつながります。

産業廃棄物の処理業者選びや廃プラスチックの処分方法でお困りの場合は、イーブライトへご相談ください。

イーブライトでは、企業から排出される廃棄物を適切に収集・分別し、リサイクルを含めた環境に配慮した処理サービスを提供しています。廃棄物処理に関するご相談から、定期回収・対応可能な品目の確認まで、企業ごとの状況に合わせて対応いたします。

安心して廃棄物処理を任せられる業者をお探しの方は、ぜひイーブライトの産業廃棄物処理サービスをご確認ください。

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